統合失調症の家族が受ける心理教育とは？受けた方がいい？

統合失調症の人と接するには統合失調症のことを正しく理解する必要があります。

きちんと理解していないと統合失調症の症状に振り回されて、家族は疲弊し統合失調症の人にも感傷的に接するようになってしまうなど悪循環に陥ってしまう危険性があります。

統合失調症について理解するために心理教育を受けてみるのはどうでしょうか。
心理教育では統合失調症という病気についてだけでなく、適切な対応や望ましい対応についても学ぶことができます。
また普段の外来診療では問診の時間が短くなかなか聞けないことも、気軽に聞くことができます。

今回は統合失調症の家族にする心理教育についてご紹介したいと思います。

この記事が困っている人達の役に少しでもたてたら嬉しいです。

心理教育とは？

統合失調症の心理教育とは統合失調症の症状や原因、治療（薬物療法やリハビリテーションなど）、再発予防などについて学ぶことで病気に対する理解を深めて治療に前向きに取り組んでいくための教育的支援のことです。

家族の心理教育が必要な理由

なぜ統合失調症の家族にも心理教育が必要かというと家族は統合失調症の人の最も身近で重要な人間関係だからです。

統合失調症の再発には家族の関係が影響していることが多くあることが分かっています。
特に感情を表に表す人（高EE）が家族にいる場合は再発のリスクが高くなります。
家族からすると「早く良くなってほしい」と焦る気持ちからつい感傷的になるのだと思いますが、再発の要因になってしまうため注意が必要です。
詳しくは下記を参照してください。
↓
統合失調症の人の再発の原因②-ストレス・家族の接し方

家族心理教育のメリット

統合失調症に対する家族の理解が深まり、誤った対応をしなくなる

心理教育は医師だけでなく、看護師や精神福祉士などさまざまな職業の医療関係者が携わっており、統合失調症の原因や症状、治療、再発予防、今後利用できる社会制度など統合失調症のことについて学ぶことができます。

直接質問もできるため普段聞きにくいことも聞いてみましょう。

家族自身の悩みや不安を解消し、ストレスを軽減できる

家族心理教育では家族を支援対象とし、今抱えている問題を整理し、解決の糸口を探していきます。
家族関係を改善することで統合失調症の人の治療にも良い効果が期待できます。

また、これまで統合失調症の症状に振り回された家族ほど心身が疲弊しているものです。
そのため家族心理教育では家族自身がゆとりある生活を送っていけるように心身の健康についても考えていきます。
ゆとりある生活を送ることで余裕が生まれ統合失調症の人への対応も変わってきます。

僕の場合も急性期の父親の症状（暴言や暴力）に振り回されて、常に切羽詰まった状態でした。
そんな生活だったので笑うことが減って気持ちも沈んでしまっていました。

今これを読んでくれている方
「あなたが最後に笑ったのはいつですか？」

思い出せないほど切羽詰まった生活を送っているならまずは相談してみましょう。

解決の糸口がきっと見つかります。
↓
困った時の相談場所一覧

複数の家族が参加する場合は医師など医療関係者だけでなく、他の家族とも話すグループワークが組み込まれています。

他の家族の経験談を聞くことで問題解決の糸口が見えてくることもあります。
また悩みや不安など聞いてもらい共感してもらうことでストレスも軽減することができるはずです。

ストレス解消方法については下記を参照してください。
↓
ストレス社会を生きる工夫-ストレス解消方法ベスト10選

再発予防の環境作りに役立つ

再発予防には自宅での療養生活の環境作りが大切になってきます。

最も再発の原因になるのが薬の服用の中断です。

そのため、薬の服用を続けられるような工夫が必要です。

またストレスをため込まない環境や回復を促す接し方を実行することで再発の予防をすることができます。

統合失調症の人はコミュニケーションが上手くとれなくなっていますが、自分のことを分かってほしいと思っています。

統合失調症の人との対立は避けて本人の話はきちんと聞いてあげることが大切です。

コミュニケーションをとるポイントを押さえて心の交流をしましょう。

今回は統合失調症の家族にする心理教育ついてでした。

一緒に住んでいる母親の統合失調症に対する知識がイマイチなので、父親が通院している病院の心理教育に、一度母親と一緒に参加してみたいと思っています。

急性期のことを思い出すと、少しでも再発のリスクを下げておきたいと思ってしまいますね。

今回の記事が困っている人達の役に少しでもたてたら嬉しいです。

統合失調症を学ぶのにおすすめの本を一覧にしました。
おすすめ書籍一覧：統合失調症についてを参照してください。

統合失調症の人と家族が少しでも穏やかに過ごせますように。それではまた。