生活・暮らし

注目されているピアカウンセリングと家族教室について?

悩みがあるときには誰かに悩みを聞いてほしいと思うものです。

近年同じ境遇や経験を持つ人たちが話し合い、問題(悩みや不安)を解決していく「ピアカウンセリング」が注目されています。
自分と同じ境遇の人には話しやすく、お互いの悩みを理解しあえるはずです。

また統合失調症の家族の人で、統合失調症についてきちんと学びたい方は家族教室に参加してみましょう。
統合失調症への理解を深めることや統合失調症の人の接し方を学ぶことができます。

今回はピアカウンセリングと家族教室について記事にしました。
どちらも気後れしてしまうかもしれませんが、気軽に一度体験してみましょう。

ピアカウンセリングとは

「ピア」とは仲間や対等という意味です。

ピアカウンセリングの目的は同じ経験や関心を持つ仲間同士が、対等な関係で話し合い、お互いに話を聞き合い、助け合うことです。

つまり同じ境遇の人にしかわからない悩みや不安を、経験を持つ人同士で話し合い、それぞれの経験を共有して、問題解決するために助け合うということです。

ピアカウンセリングの料金は無料で、自立生活センターやデイケアなどで行われることが多いです。

ピアカウンセリングの特徴

ピアカウンセリングの特徴は専門家に話しづらいことも話すことができる事と経験者から具体的に話を聞けることです。

カウンセリングとは違い、「相談する人」と「アドバイスや指示する人」のように一方的な関係ではなく、1対1とも限りません。
進行役を決める場合や自由に各自が発言するなどさまざまなスタイルがあります。

専門家に話しづらい事も話せる

ソーシャルワーカーなどの専門家に話しづらい悩みや不安も、気軽に話すことができるのが大きな特徴です。

同じ境遇の人だからこそ、悩みや不安に共感してくれます。
共感してくれる仲間がいると安心感がうまれます。

自分自身の話をする時には悩みや不安だけでなく、嬉しかったことや腹が立ったことなど幅広く自分の気持ちや経験を話しましょう。

経験者から具体的に話を聞ける

自分が感じている悩みや不安を話すことで、同じように感じたり、似たような経験をした人から話を聞くことができます。

自分の経験を話すだけでなく、相手の話を聞くことも大切です。
その際にアドバイスや指示に、ただ従うのではなく、他の人の経験をヒントにして自分の問題に当てはめて解決の糸口を探すように主体的に取り組むことが重要になってきます。

ピアカウンセリングの役割

ピアカウンセリングには精神的サポートと自立のための情報提供の2つの役割があります。

精神的サポート

自立した生活に必要な精神的な手助けをします。
具体的には

  • 自己信頼の回復のサポート
  • 権利擁護・意識確立のサポート
  • 施設や親元からの自立するためのサポート
  • 性やセクシュアリティについての悩みのサポート
  • 対人関係のサポートなど

自立のための情報提供

自立した生活を送る上で必要な情報の提供や相談をおこなう。
具体的には

  • 住宅探しや改造等の情報提供
  • 所得保障の情報提供
  • 仕事や職業の情報提供
  • 介助に関する情報提供
  • 余暇・旅行に関する情報提供など

家族教室とは?

家族教室とは統合失調症の症状や治療法、患者さんとの接し方などについて家族が学ぶための教室です。

その目的は統合失調症について正しい知識を得ることに加えて、家族の不安な気持ちを少しでも軽減することです。

それぞれの専門家(ソーシャルワーカーなど)が講師になり、分かりやすく講義してくれます。
また、質疑応答の時間もあるため、知りたいことを直接聞くこともできます。

家族教室を開いているのは、医療機関(病院など)や保健所、市区町村の精神保健福祉センターなどです。

内容や形式は様々ですが、主な内容は以下のようなものです。

病気について学ぶ

専門家から直接話を聞けるため、正しい知識を得ることができます。

内容は統合失調症の症状や治療法(薬物療法やリハビリテーション)、再発・再発防止についてなどです。
開催するテーマにもよりますが、福祉サービスの使い方や就労支援についても学ぶことができます。

情報交換・話し合う

家族教室には複数の家族が一緒に参加するので、家族同士で自分たちの経験を話し合い、情報交換をすることができます。

悩みや不安を相談することもできます。
悩みを分かち合うだけでなく、内容によっては具体的な解決策が見つかるはずです。

コミュニケーションの練習

統合失調症の人への接し方やコミュニケーションの方法をグループになって練習することができます。

今までの接し方が間違っていれば、正しい接し方に変えるきっかけになります。
また実際に専門家の意見を聞きながら練習できるので、良い予行練習になるはずです。

家族会との違い

家族会は統合失調症の人の家族が主体となって運営していますが、家族教室はスタッフが主体となってプログラムを決めて運営しています。

また家族会の目的は統合失調症の人の家族が集まり、悩みを語り合って励まし合い、互いに支え合うことです。
大きな勇気を与えてくれたり、支えになってくれます。

 

今回はピアカウンセリングと家族教室についてでした。

家族は統合失調症の人と最も長く付き合っていかなくてはいけません。
だからこそ相談できる場所は大事だと思います。
僕も家族と一緒に今後参加してみたいと思っています。

今回の記事が一人で悩みや不安を抱えている人達の役に少しでもたてたら嬉しいです。

統合失調症を学ぶのにおすすめの本を一覧にしました。
おすすめ書籍一覧:統合失調症についてを参照してください。

統合失調症の人と家族が少しでも穏やかに過ごせますように。それではまた。

同じ悩みを抱える人との交流の場「家族会」