生活・暮らし

無理をしないほどほどの運動-社会復帰の第一歩

統合失調症の人は肥満になりやすいと言われています。

それは薬の副作用や乱れた生活習慣が原因と考えられます。

肥満を解消するのに特に重要なのは生活習慣の改善です。
具体的には食事の改善や運動することが大切になります。

食事は家族に協力してもらったり、自炊することで改善することができます。
自炊が難しい場合は低糖質のデリバリーを利用すると時間と手間をかけずに取り組むことができます。

しかし、運動は自分でやらなければいけません。

運動することは肥満解消だけでなく、精神状態の改善にも効果がある(運動療法)ことが近年わかってきています。

運動は無理をせず、少しでも続けていくことが大切です。

この記事の内容

理想的な運動量
有酸素運動について
無酸素運動について

続けるために必要な事
楽しみを組み込む

まずはこれからやってみる
スキマ時間で運動する

今回は無理をしないほどほどの運動についてご紹介します。

理想的な運動量

WHO(世界保健機関)が発表しているガイドラインでは理想的な運動量は18歳以上の人では中強度の運動(有酸素運動)を1週間で150分または高強度の運動(無酸素運動)を1週間で75分おこなうことを推奨しています。
(WHOでは統合失調症の人も18歳以上では同じ運動量を推奨しています)

いきなり運動量を増やすのではなく、運動は少しずつおこない、時間をかけて徐々に強度や頻度、時間を増やしていくことが重要です。

有酸素運動について

酸素を使用し、身体や筋肉を使って長時間運動をすることをいいます。

有酸素運動は酸素を使い、体脂肪を燃焼させることができます。

有酸素運動の具体例

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • 縄跳び
  • サイクリング
  • 水泳
  • ヨガ
  • 登山など

無酸素運動について

無酸素運動とは筋肉に蓄えたグリコーゲン(糖質)を燃料とするため、酸素を必要としない運動のことです。

無酸素運動は有酸素運動に比べて短い時間しかできませんが、筋肉を鍛えるのに有効です。

筋肉をつけると基礎代謝量が増えます。

基礎代謝量が増えると有酸素運動の効果が高まり、痩せやすくなります。

無酸素運動の具体例

  • 筋力トレーニング
  • 短距離走

続けるために必要な事

運動を続けるのはとても大変です。
3日坊主になってしまった経験は多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。

運動を続けるのに必要な事は楽しみを取り入れることです。

人は楽しいことは自然と続けることができます。

楽しみを組み込む

運動する前に自分に合った方法を考えてみましょう。

1人で淡々とやるのが好きな人はランニングやジョギングの方が楽しくできます。

みんなで一緒にやるのが良い人はスクール形式のヨガなどに参加すると楽しみながら運動することができます。

目に見える結果が欲しい人は筋力トレーニングがおすすめです。

運動が終わったら「今日もいい汗かいた、頑張ったなぁ」「頑張れて偉い」と自分自身を褒めてあげて下さい。

最初は恥ずかしいかもしれませんが、声に出して自分を褒めると運動に対するモチベーションが変わります。

恥ずかしがらずに頑張った自分を褒めてあげて下さい。

まずはこれからやってみる

「時間がない」「めんどうくさい」と思っている人はまずはスキマ時間を使ってみましょう。

まとまった時間がなくても、普段の生活のちょっとした時間で十分に運動することができます。

スキマ時間で運動する

階段を利用する

エスカレーターやエレベーターを使わず、階段を利用するようにしましょう。

階段の昇り降りは十分な運動になります。

早歩きで通勤・通学

自宅から駅までの道を少し早歩きで歩いてみましょう。

最初はいつもより少し早いペースくらいで大丈夫です。

立ち上がったらスクワット

椅子やソファから立ち上がったらスクワットしましょう。

きちんと膝が直角になるくらいまでおしりを落とすようにしましょう。
最初は5回から始めて、なれてきたら10回まで増やしてみましょう。

家事をする

部屋の片づけや洗濯などの家事も体を動かすため立派な運動です。

まずは自分の部屋の1部から片付けてみましょう。

外食ランチ

自宅や駅から少し離れた場所(10分くらい歩く場所)をあえて選んでご飯を食べるのも一つの方法です。

往復で20分の運動になります。
早足で歩けばさらに効果的です。

以上のようにスキマ時間を使えば日常生活を送っていても運動することができます。
無理のない範囲で出来ることから始めてみましょう。

 

今回は無理をしないほどほどの運動についてでした。

父親も運動不足から体重が増えてきたようです。
まだ一緒に運動するのには過去のこともあり気が引けますが、そのうち一緒にウォーキングなどできたらいいなと思います。

今回の記事が統合失調症の人や統合失調症の人を持つ家族の人達の役に少しでもたてたら嬉しいです。

統合失調症を学ぶのにおすすめの本を一覧にしました。
おすすめ書籍一覧:統合失調症についてを参照してください。

統合失調症の人と家族が少しでも穏やかに過ごせますように。それではまた。

同じ悩みを抱える人との交流の場「家族会」