生活・暮らし

統合失調症・向精神薬と熱中症の関係、熱中症対策について

今年も猛暑日が続き、熱中症で運ばれる人も増加傾向にあります。

統合失調症の人は不規則な生活や治療のために向精神薬を服用しているため、より一層の注意が必要です。

また、部屋にいるからと安心してはいけません。

熱中症で救急搬送される人の多くが自宅にいるときなのです。
熱中症は命にかかわります。
きちんと熱中症対策をして、この夏を乗り切りましょう。

今回は統合失調症・向精神薬と熱中症についてご紹介します。

この記事が統合失調症の人や統合失調症の人を持つ家族の人達の役に少しでもたてたら嬉しいです。

熱中症とは?

熱中症とは体温が上昇し、汗や皮膚温度で体温の調節ができず、体内の水分や塩分(電解質)量が崩れて、体温や体液の調節機能が働かなくなってしまう病気のことです。

高齢者になるほど重症化しやすいと言われています。

熱中症の要因

熱中症になりやすい要因として次の3つの要因が考えられます。

体による要因

  • 脱水症状(下痢や嘔吐によるものも含む)
  • 二日酔い
  • 寝不足
  • 乳幼児や高齢者
  • 認知症のある人
  • 糖尿病や精神疾患などの持病のある人
  • 肥満の人
  • 低栄養状態(食欲がなく食事の量が少ない)
  • 汗がでない
  • 皮膚からでる熱が少なくなる

環境による要因

  • 日差しが強い
  • 気温が高い
  • 湿度が高い
  • エアコンのない部屋
  • 締め切った屋内
  • 無風の日
  • 急に暑くなった日
  • 熱波の襲来

行動による要因

  • 水分補給の不足
  • 長時間の屋外活動
  • 激しい運動
  • 慣れない運動

統合失調症と熱中症

統合失調症の病期の前駆期には焦りや不安などの精神症状の他に不眠や頭痛、食欲不振などの身体症状があります。

汗をかいたり、止めたりする体内機能には多くのエネルギーが必要になります。

身体に必要な栄養補給や疲労回復のために、バランスの良い食事や睡眠が大切ですが、統合失調症の人は十分に栄養と睡眠がとれていないことがあります。

また陰性症状があると部屋にこもりがちになりますが、部屋でも熱中症になる危険性はあります。

面倒くさいと思わず、日中はエアコンをつけて、水分補給が出来るように部屋において置くなど工夫しましょう。

部屋で過ごしていることが多い場合は、体が暑さになれていないため、猛暑日などは外出は控えるようにしましょう。

もし通院など外出しなければいけない場合はきちんと熱中症対策をして、こまめに水分補給や休憩するよう心がけて下さい。

特に高齢者の場合、体の機能が低下しています。(暑さを感じにくい、汗をかきにくい、喉の渇きを感じにくいなど)
そのため気がつかない内に熱中症になる可能性があるので、注意が必要です。

向精神薬と熱中症の関係

統合失調症の人の治療薬の副作用に抗コリン作用があります。

抗コリン作用とはアセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを防ぐ作用のことです。

症状としては、口渇や便秘、眠気、排尿障害、発汗の抑制などがあります。

発汗は上昇した体温を下げる役割があります。
そのため抗コリン作用により発汗が抑制されると体温が下がりにくくなり、熱中症になる危険性が高くなります。

 

熱中症の症状

熱中症はその症状により軽度、中度、重度に分けることができます。

判断が難しい場合は#7119(大都市を中心に対応地域が拡大しています)へ電話して相談してみましょう。
医師や看護師、救急隊員経験者が症状に応じてすぐに病院を受診した方がいいか相談に乗ってくれます。
#7119の対応地域は下記を参照してください。

救急車の適正利用(リンク先:総務省消防庁)

軽度

熱中症の初期症状としてめまいや立ちくらみ、大量の発刊で汗が止まらない、筋肉痛のような痛みが現れます。

涼しい部屋などに移動し、水分と塩分の補給をして安静にしていると多くの場合回復します。

中度

頭痛や吐き気を伴い、倦怠感や虚脱感を感じるようになり、集中力や判断力が低下します。

意識はあり、受け答えもできますが、水分補給が自力で出来ない場合には必ず医療機関を受診するようにしましょう。

重度

体温の異常な上昇に伴い、意識の消失や呼びかけに対し返事がおかしくなってしまいます。

また、まっすぐ歩けなかったり、痙攣がおきたりします。

救急車を呼び、すぐに医療機関へ受診してください。

重度の場合、入院して必要な処置を受ける必要があります。

熱中症対策

熱中症の対策は以下のようにさまざまな方法があります。

取り組みやすいことから始めてみましょう。

水分補給

喉が渇く前にこまめに水分補給しましょう。

1日に1.2Lの水分摂取を目安にしましょう。
作業療法などで屋外で活動する人はさらに水分補給する必要があります。

特に高齢者は喉の渇きを感じにくくなっているため、1時間に1杯水分を取るなど意識して水分補給をするようにしましょう。

ただし、大量に水を飲めばいいというものではありません。

一度に大量に水を飲むと水中毒になる危険性があります。

水中毒とは?
大量の水(一度に1リットル以上)を飲むことが原因の病気です。
水を飲み過ぎると体内のナトリウムが低下して、頭痛や吐き気がおこります。重症の場合は意識障害やけいれんがおき、命にかかわります
予防としてはガムを噛んで唾液をだして口が乾くのを防いだり、水の代わりにスポーツドリンクや塩あめをなめるなど塩分(ナトリウム)を一緒に取るようすることです。

塩分摂取

水分とともに塩分も失われています。

水分だけでなく、塩分も摂取するようにしましょう。

運動後は0.1~0.2%の食塩を含んだ飲料をとるようにしましょう。

スポーツ飲料は食塩や糖分を含んでいるため、運動後に飲むのに最適です。

もし自分で手作りする場合は1Lに1~2gの塩を入れて、好みで砂糖を加えると運動で失った糖分も補うことができます。

また、塩分を含む飴や梅干しを食べて摂取しても良いでしょう。

腎臓の機能が悪い(腎機能障害や腎不全など)人は塩分を取る際には注意してください。
塩分を取り過ぎると、さらに腎臓の機能を悪化させる危険性があります。
スポーツドリンクや塩分を取る際には、少しずつ複数回に分けて取るようにしましょう。

食事

1日3食バランスの良い食事を心がけましょう。

特に熱中症に有効な栄養素はカリウム、ビタミンB1、ビタミンCです。

下記にそれぞれ多く含む食材を記載します。
夏バテ防止にもなるので積極的に取るようにしましょう。

カリウムを多く含む食材

  • 果実類や芋類、野菜、豆類、肉類、魚類など

ビタミンB1を多く含む食材

  • 豚肉や玄米、うなぎ、大豆、キノコ類

ビタミンCを多く含む食材

  • ジャガイモやトマト、ブロッコリー、ほうれん草、レモンなど

運動

夏になると暑さのため運動不足になりがちです。

しかし適度に汗をかくことは体温の調節の機能を鍛えるために必要になります。

朝方や夜など比較的涼しくなる時間帯に適度な運動をするようにしましょう。

睡眠

日々の疲れを回復させるためにも十分な睡眠をとるようにしましょう。

熱帯夜が多くなる季節はエアコンをつけっぱなしにすることも必要です。

この時エアコンの風が直接風が当たらないように注意しましょう。

住まいの環境

直射日光や反射光を防ぐ

植物を使った緑のカーテンや遮光フィルムを窓に貼ることで直射日光や反射光を防ぎ、部屋の温度上昇を軽減することができます。

エアコンや扇風機を上手に使う

昼夜を問わずエアコンなどを付けて、温度の調節をするようにしましょう。

エアコンの吹き出し口近くに扇風機をおいて部屋全体に冷気がいくようにすると、より早く部屋の温度を下げることができます。

夜にエアコンをつけっぱなしにするのが嫌な人は、タイマー機能を利用してみましょう。

温度や湿度がわかるようにする

温度や湿度が分かるタイマーを設置して、部屋の暑さがわかるようにしましょう。

2か所の窓やドアを開ける

朝方など比較的涼しい時間帯には窓やドアを2か所開けて、風の通り道をつくって風通しを良くしましょう。

出かける際の注意点

出かける際は以下の4つの注意点を守って行動しましょう。
特に日差しを直接浴びないように工夫して、こまめに休憩することが大切です。

  1. 風通しの良い服装を心がける(汗の乾きやすい素材)
  2. 帽子を被るもしくは日傘をさすようにする
  3. 飲み物や扇子を持っていく
  4. 人との間隔が2メートル以上離れた場合には時々マスクを外しましょう。

 

今回は統合失調症・向精神薬と熱中症についてご紹介しました。

統合失調症の人が熱中症になりやすいということを今回初めて知りました。
父親は外で作業をする際に水筒を忘れることがあるので、持っていくのを忘れないようにどうすればいいか話し合ってみようと思います。

熱中症は命にかかわり、統合失調症でない人も毎年多く救急車で搬送されています。
熱中症にならないように、家族でお互いに注意して過ごすことが大事です。

今回の記事が統合失調症の人や統合失調症の人を持つ家族の人達の役に少しでもたてたら嬉しいです。

統合失調症を学ぶのにおすすめの本を一覧にしました。
おすすめ書籍一覧:統合失調症についてを参照してください。

統合失調症の人と家族が少しでも穏やかに過ごせますように。それではまた。

同じ悩みを抱える人との交流の場「家族会」