統合失調症の治療は薬物療法とリハビリテーションがあります。
今回はリハビリテーションの一つである精神療法について詳しくまとめてみました。
精神療法とは医師がさまざまな方法で患者さんに働きかけをおこなう治療法のことをいいます。
統合失調症の人の場合には支援的精神療法(支持療法)と呼ばれる方法で治療にあたります。
自分や家族が受けている治療について知ることはとても大切なことだと思います。
今回の記事が治療を受けている人達の役に少しでもたてたら嬉しいです。
支援的精神療法の目的
支援的精神療法の目的は、統合失調症の人の精神状態の安定をはかることや不安の解消をすることです。
医師は統合失調症の人の気持ちに寄り添いながら、今直面している問題(悩みや不安、恐怖、葛藤など)を一緒に考えて、問題解決の糸口を探っていきます。
主役は統合失調症の人であり、医師は支える立場になります。
支援的精神療法の特徴
支援的精神療法は次の3つのことをおこない、問題解決の糸口を一緒に考えてくれます。
①受容
受容とは「何をいっても受け止めてくれる」という安心感を与えることです。
自分が感じている不安な気持ちなど遠慮なく伝えて大丈夫なので、気になることは話してしまいましょう。
②傾聴
傾聴とは指示をだしたりせずに話を聞くことです。
話を遮ったりせずに最後まで話を聞いてくれるので、安心してください。
③共感
共感とは悩みや心配事を自分のことのように理解しようとすることです。
このとき医師の方から質問をしたりしますが、あくまでも気持ちを理解するためのものです。
統合失調症の人の性格や生育環境などに深く立ち入った話はこの時にはしません。
担当医師は上記の①受容②傾聴③共感をおこなったうえで、初めて「こうしてはどうかな?」と、よりよい解決方法を助言し、問題解決の糸口を一緒に見つけていきます。
この時具体的な解決方法が見つからなくても、統合失調症の人の不安や悩みが少しでも解決したり、前向きな気持ちになれば、精神状態も徐々に安定してきます。
つまり具体的な解決方法が見つからなくても、話し合い一緒に問題解決に取り組むことは意義のあることだといえます。
支援的精神療法をおこなう上で大切なこと
支援的精神療法をおこなう上で最も重要なことは担当医師と統合失調症の人との信頼関係です。
担当医師は統合失調症の人と信頼関係が築けるように会話を大切にし、回数を積み重ねる必要があります。
適切にコミュニケーションがとれていれば、適切なカウンセリングにつながります。
そのため話をあまり聞くことをしない医師は信頼関係を築いていく上で、問題があるように思います。
担当医師との相性はとても大事な要素になります。
今の担当医と相性が合わなければ転院も一つの選択肢になります。
また治療に少しでも不満や不安があれば、セカンドオピニオンを受けてみることをお勧めします。
今回はリハビリテーションの一つである支援的精神療法(支持療法)についてでした。
今回の記事が統合失調症の治療を受けている人達の役に少しでもたてたら嬉しいです。
統合失調症を学ぶのにおすすめの本を一覧にしました。
おすすめ書籍一覧:統合失調症についてを参照してください。
統合失調症の人と家族が少しでも穏やかに過ごせますように。それではまた。
同じ悩みを抱える人との交流の場「家族会」
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