「今後のことを考えて一人暮らししたい」「一人暮らしに憧れがある」「自由に生活したい」など一人暮らしをしたい理由は人によってさまざまだと思います。
しかし一人暮らしするには思っているよりも多くの手続きや準備が必要です。
中には自分ひとりでは対応できないことも出てくるかもしれません。
一人暮らしするのに少しでも不安がある人は、まずはデイケアの利用やグループホームに入居して生活能力などを身に着けるのはどうでしょうか。
日常生活していく上での不安が少しでも解消されれば、今後の自信にもなるはずです。
また今後のためにも相談する人や場所は一人暮らしする前にあらかじめ作っておくのも大切です。
今回は一人暮らしする際に気をつけたいことや一人暮らしをするにあたって利用や相談できるサービスや支援についてまとめました。
これから一人暮らししたい人の不安が、すこしでも少なくなれば嬉しいです。
はじめに確認すること
一人暮らしをした際には、さまざまなことを自分でしなければいけません。
ただしすべてを自分ひとりでやる必要はありません。
自分が苦手なことは家族や他の人(社会福祉士など)に手伝ってもらいましょう。
- 生活費の確保
- 買い物ができるか
- 掃除洗濯などの家事ができるか
- お金の管理ができるか
- 薬の服用がきちんとできるか
- 困った時に相談する場所や人はいるか
など
家事(掃除・洗濯・料理)
掃除
部屋
部屋の掃除を楽にするために次の点に気をつけましょう。
- 床に物を置かない
床に物を置かないだけで部屋がスッキリし、広く見えます。
掃除のときも物がおいていないと楽です。またルンバを使って掃除もできるようになります。 - 決まった場所に物を置く
使いやすい場所に置き場を決めて使った後は、そこに戻すようにしましょう。
キチンと元にあった場所に戻すことで、物が散らかることがなくなります。 - 物を捨てる
「もったいない」や「いつか使うかも」と思っているものは思い切って捨ててしまいましょう。捨てるのが嫌な時は寄付や友人に譲ったり、リサイクルショップで売ったりしましょう。
キッチン
汚いままにしておくと害虫(ハエやゴキブリなど)が発生する原因になります。
シートタイプの掃除用品なら、簡単にキッチン周りの拭き掃除ができます。
排水口はスプレー型やボタン型があります。どちらも手軽に汚れを落とすことができます。
トイレ
トイレハイターなどの液体をトイレのふち裏にむけてかけながら一周させます。その後しばらく放置して汚れを浮き上がらせてから水を流すと汚れが綺麗に落ちます。
なるべく掃除の回数を減らしたい場合は、手洗い部分に置くタイプの物や便器にスタンプするタイプの洗剤を使用すると汚れるのを防いでくれます。
浴槽
壁や床にはスプレータイプの洗剤をかけて1~2分放置後、シャワーで洗い流しましょう。
天井や小物類や鏡は月に2~3回洗うのが理想的です。
洗濯
一人暮らしの場合、週に1~2回まとめて洗濯すれば、洗濯物で散らかることはないはずです。
干す際には、なるべくハンガーを使用し、乾いたらそのままクローゼットにしまいましょう。そうすることで畳む手間が省けます。
またコインランドリーを利用すれば乾燥機で乾かすこともでき、干す手間がなくなります。
料理
毎日手作りする必要はありません。
時にはスーパーなどの総菜や冷凍食品を利用しましょう。
ただし買う際には油物はなるべく避けてサラダなども購入し、バランスの良い食事をとれるように気をつけましょう。
統合失調症の人は薬の副作用で太りやすい体質になっていることに加えて、偏った食事は合併症の危険性も高くなります。
自分でバランスの良い食事をとるのが難しい場合はお弁当や総菜、冷凍食品などの定期宅配サービスを使ってみるのがいいと思います。
家事代行を利用する
自分で家事をすることが難しい場合は、家事代行サービスを利用するのも一つの選択肢です。
月に1回よりもセットプランのほうが、1回の料金は安くすみます。
教育を受けたスタッフのため、安心して任せられます。
お金の管理
家賃や光熱費(電気・ガス・水道)、通信費(ネット・携帯)、日用品、食費など生活していくためには毎月ある程度のお金がかかります。
まずは自分で収支額をきちんと把握することです。
一人暮らしを始める前に1ヶ月にかかるお金の管理を自分でやってみましょう。
例えば日用品や通信費、お小遣いなどを月3~4万でやり繰りしてみるなど
もし毎月の家計が赤字か黒字か自分で把握できていれば、家計簿もつける必要はないと思います。
しかし毎月どのくらいお金を使用したのかわからない人は、家計簿をつけてお金の流れを確認する必要があります。
お金の管理の方法として給料日に使用する用途ごとに、あらかじめ分けておく方法があります。
例えば食費4万、日用品2万、通信費1万などあらかじめ分けておき、その中でやり繰りする方法です。
また1週間ごとにお金を分けて、毎週日曜日に決まった金額をお財布に入れるとその週にどのくらい使用したのか把握することができます。
使い過ぎてしまう場合はお財布には、毎日必要最低限のお金だけ入れて使い過ぎないようにする方法もあります。
いずれにしても毎月どのくらい使用しているのか把握することが大切です。
どうしてもお金の管理が上手くいかない場合には、病院の精神保健福祉士か精神保健福祉センターや地域活動支援センターなどに相談してみましょう。
日常生活を送る上で利用・相談できるサービスや支援
ホームヘルプサービス
障がいのために日常生活を送るのが困難な場合に利用できるサービスです。
ホームヘルパーが自宅を訪問し、買い物や炊事や洗濯などの家事や入浴や食事の介助をおこなってくれます。
グループホーム
グループホームとは障がい者が集まって共同生活を営む場所のことです。
共同生活をおくる場所にはサービス管理責任者や世話人がスタッフとして配置されています。
入居者が自立した生活を送れるように相談に乗ったり、日常生活上の支援を行い日常生活を送る上での能力を身につけていきます。
一人暮らしを始める前に、日常生活を送る上での能力を付けるためにグループホームでの集団生活を利用する人もいます。
デイケア(生活技能訓練:SST)
デイケアでは、同じ病気をもつ者どうしが交流し、悩みを話し合ったり、楽しく一緒に活動することで協調性を学んだり、1人で日常生活を送れるように訓練することができます。
生活技能訓練(SST)は日常生活技能や対人関係技能、病気の自己管理能力を向上させる目的でおこなわれます。
日常生活技能では食事や洗濯、お金の管理など日常生活に必要な技能を学ぶことができます。
地域活動支援センター
主に障がいのある人の地域との交流の場や居場所として利用されています。
また、創作活動や生産活動の機会の提供、社会との交流の場の提供を役割としていて、障がい者が自立した生活や社会生活をおくることを支援する施設です。
活動内容は各施設で異なりますが、食事の提供をしている施設もあります。
障がい者相談事業所
障がい者相談事業所では、自分に合った福祉サービスを利用したい場合や日常生活を送る上での相談などを窓口で受け付けたり、場合によっては家庭訪問して相談に乗ってくれるます。
基本は無料で相談に乗ってくれますので、一人暮らしを始めて困った場合や自分が利用できる福祉サービスについてなど気軽に相談してみましょう。
今回は一人暮らしする際に気をつけたいことや一人暮らしをするにあたって利用や相談できるサービスや支援についてでした。
一人暮らしは生きていくために必要なことを学ぶのにいい経験になると思います。
今回の記事が一人暮らしを考えている人の役に少しでもたてたら嬉しいです。
統合失調症を学ぶのにおすすめの本を一覧にしました。
おすすめ書籍一覧:統合失調症についてを参照してください。
統合失調症の人と家族が少しでも穏やかに過ごせますように。それではまた。
同じ悩みを抱える人との交流の場「家族会」
- みんなネットhttps://seishinhoken.jp/profile
リンク先:みんなねっと(公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会) - 全国きょうだいの会(略称)
https://www.normanet.ne.jp/~kyodai/index.html
リンク先:全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会