この記事では統合失調症の診断がされるまでの流れについて書いています。
初めての受診ではどんなことをするのか不安になるかと思います。
実際僕も初めて父親と受診する際には緊張と不安がありました。
そんな経験から事前に準備しておいた方が良い事などまとめました。
事前にメモをして、診察のときに確認できるようにしておくことをお勧めします。
この記事を読むことでこれから受診する人達の不安が少しでも減らせたら嬉しいです。
この記事の内容
初めての問診で聞かれること
担当医師に質問されたことに答える形になります。
冒頭にも書きましたが、その場で担当医師の質問に答えられるか心配な場合は、事前にメモをしておくと良いと思います。
既往歴
- 現在治療中の病気や過去の病気について
- 大きな怪我や手術の有無について
- 現在服用中の薬について(可能なら実際に飲んでいる薬を持参しましょう。)
症状について
- 現在どんな症状があるか
- いつごろから症状があるのか
- 最初の症状やその後の症状の変化について
- 今生活する上で困っていることは、どんなことか(不眠など)
- これまでに相談した機関(病院・クリニック・保健所など)はあるか
- 他の病院で治療を受けたことがあるか
(受けたことがある場合は、その時の医師の説明内容と治療内容について聞かれます)
生活歴(生い立ちについて)
- 生まれた土地と転居について
- 乳幼児期~現在までの家庭環境について
友人関係や学校での成績、失敗や挫折について。
現在社会人の場合は仕事内容、勤続年数、転職の有無や最長の勤続年数について。 - 結婚や離婚歴、子供の有無について
家族歴
- 家族の病気について(特に精神病の人はいるかについて)
- 自殺者の有無について
ここに記載した以外にも質問されるかもしれませんが、昔のことで記憶があいまいなことやわからないことは、素直にわからないと伝えましょう。誤診を防ぐためにも大切なことです。
診断のための検査について
問診の結果統合失調症が疑わしい場合には鑑別のために主に以下の検査をおこないます。(※施設によって実施してない検査もあります)
- 血圧や体温の測定
- CT検査
- MRI検査
- 脳波検査
- 血液検査
- 心電図
- 髄液検査
- 尿検査
これらの検査は覚醒剤の使用の否定や脳腫瘍などの統合失調症以外の病気の可能性を除外するためにおこないます。
診断基準について
統合失調症にはWHO(世界保健機関)発行の「ICD-10」とアメリカ精神医学会発行の「DSM-5」の2つ診断基準があります。
このうち日本でよく使用されるのは「DSM-5」です。
ただし、これらの診断基準はあくまでも参考として使用され、受診した本人や家族の問診から総合的に判断することになります。
そのため、一般の人がこれらの診断基準を使用し、病名を自己判断することはできません。診断後の治療のためにも、必ず医療機関を受診する必要があります。
DSM-5とは精神疾患の診断基準・診断分類です。
アメリカ精神医学会で作られ発行されたものですが、現在は世界中で使用されています。
さまざまな精神疾患についての基準が記載されており、その中に統合失調症の診断基準も記載されています。
今回は統合失調症の診断がされるまでの流れについてでした。
これから受診する方々の不安を減らすことに、少しでも役に立てれば嬉しいです。
統合失調症を学ぶのにおすすめの本を、一覧にしました。
おすすめ書籍一覧:統合失調症についてを参照してください。
統合失調症の人と家族が少しでも穏やかに過ごせますように。それではまた。
同じ悩みを抱える人との交流の場「家族会」
- みんなネットhttps://seishinhoken.jp/profile
リンク先:みんなねっと(公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会) - 全国きょうだいの会(略称)
https://www.normanet.ne.jp/~kyodai/index.html
リンク先:全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会