この記事では統合失調症の再発のサインと予防するポイントについて書いています。
再発の原因で一番多いのが薬の服用の中断です。
しかし、家族は薬を飲んでいないことにすぐに気がつくのは難しいと思います。
そのため、再発のサインを知っておくことは、再発の早期発見につながります。
また、再発を予防するポイントについても知っておくと再発する確率を下げることができます。
統合失調症の治療中で再発を防ぎたいと思う人は、まずは自己判断で薬の服用をやめないことです。
薬を中断してから再発する(症状が出はじめる)までに数週間~数か月かかるため、最初は「薬を飲まなくても平気だ!」と思うかもしれませんが、高い確率で数週間~数か月後に再発してしまいます。
薬が合わない時には自己判断で飲むのをやめずに、必ず主治医に相談しましょう。
この記事を読むことでわかること
再発のサインとは?
!代表的な再発のサイン!
だんだんひどくなる場合や2週間以上症状が続く場合はすぐに相談しましょう。
薬の服用の中断
統合失調症の再発において最も多い原因です。
飲むのをやめてからすぐに発症するのではなく、再発までに数週間~数か月かかります。
中断する理由は統合失調症への理解が不十分なことや薬の副作用に不安があるなど様々です。詳しくは統合失調症の人の再発-①服用の中断についてを参照してください。
不眠が続く
眠りが浅くなり夜中に目が覚めたり、寝つきが悪いなど数日続く場合は注意が必要です。
生活リズムが乱れて、昼夜逆転してしまうこともあります。
場合によっては、睡眠薬を処方してもらえるか担当医に相談してみましょう。
精神が不安定になる・情緒不安定
何でもできると思うようになったあと急にやる気がなくなるなど、気持ちの浮き沈みが激しくなります。
ひとりごとが増えたり、妄想や幻聴が聞こえるようになります。また、家族との会話でも支離滅裂なことを言うようになる場合もあります。
食生活の乱れ
「今日は仕事で疲れて食欲がない」など一時的に食欲がなくなることは、多くの人が経験することですが、数日食べなかった場合には注意が必要です。
再発の危険があるだけでなく、生活に必要なエネルギーがなくなり、体調に悪影響を及ぼす危険性もあります。
服装の乱れ
それまでオシャレに興味があったのにだんだんと服装に無頓着になり、髪もぼさぼさになっても気にすることがなくなったら注意が必要です。
音に敏感になる
人の話し声や咳払いに敏感になり、自分に関係があることのように感じてしまう。
(自分のことを話していると感じてしまうなど)
上記以外にも再発のサインはあります。
いずれにしてもだんだんと症状は悪くなってきます。
そのため日頃より会話によるコミュニケーションが大切になってきます。
本人から言われないとわからないこともありますが、家族が気が付けることも多くあります。環境の変化(進学や就職、結婚、失恋など)があった場合には特に注意して様子を見るようにしましょう。
再発の予防はどうすればいい?
再発を予防するには、統合失調症の人と一緒に次の点を考える必要があります。
具体的に紙に書いてみると考えを整理できるので、実際に書いてみることをお勧めします。
本人(統合失調症の人)がストレスを感じることはどんなことか
進学(通学)、就職(通勤)、引っ越し、恋愛、結婚、出産、友人や家族との接し方、お金の問題、不安や孤独など本人がストレスと感じることを書き出す。
ストレスを解消するために何をするか
- 運動をする(ジョギングやランニング、散歩など)
- 甘いものを食べる(食べ過ぎは注意)
- 気の置ける家族や友人とおしゃべりをする
- お風呂にゆっくり入る
- 好きな音楽を聴く
- ストレッチやヨガや瞑想をする
- 大声をだす(口にタオルを当ててしまえば、部屋の中でも近所迷惑にならずにできます)
- サンドバッグをなぐる(ジムなどに行けない場合には、ちょうどいい硬さのクッションを用意しておくと良いと思います)
・・・など自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
再発のサインは何か
上記の再発のサインを参考に自分に当てはまるものは何か考えてみてください。
再発のサインがでたら何をするか
- 例:再発サイン→対応法
- 不眠→睡眠薬を飲む
- 薬を飲みたくない→担当医に相談する
- 妄想や幻聴が聞こえる→薬の服用ができているか確認する
- 薬を決められた通りに飲めない
→家族に管理してもらう(食事と一緒に置いてもらうなど)
統合失調症と長く付き合っていくためのコツとは?
統合失調症の人が押さえておきたいポイント
- 統合失調症について学ぶ
- 服用する薬の効果と副作用について学び、きちんと服用する
- 規則正しい生活を心がける
- ストレスの原因と解消法を考える
- 再発のサインと解決法を考える
- 困った時はすぐに相談する
- 自宅以外にも自分の居場所を作る
- 周りに統合失調症について理解ある人を作る
- 社会制度やサービスを利用する
家族が押さえておきたいポイント
- 統合失調症について一緒に学ぶ
- 服用している薬の効果と副作用について学ぶ
- 規則正しい生活が送れるように手助けしてあげる
- ストレスの原因と解消法を一緒に考える
- 再発のサインと解決法を一緒に考える
- 統合失調症の人とのコミュニケーションのコツについて学ぶ
- 過干渉や過保護にならないように適度な距離感で接する
- 回復を焦らない(ゆっくり一歩ずつ)
- 困った時に相談できる人や場所を作っておく
- 相談できる場所を作る(家族会など)
- 社会制度やサービスを利用する
再発を繰り返すと症状が回復しにくくなったり、脳の萎縮も進むと言われています。
しかし、早めに対処することで症状を軽く抑えたり、回復するまでの時間を短くすることができます。
僕の父親はまだ再発はしていませんが、統合失調症は「再発をしやすいもの」と心構えをしています。
再発したときにショックを受けないためにも、統合失調症の人とその家族は統合失調症は再発しやすいということを覚えておいたほうが良いと思います。
そのうえで、どうすれば再発するリスクを低くできるのか話し合うことが、とても大切だと思います。
話し合うことができていれば仮に再発したとしても次に活かすことが出来ます。
今回は統合失調症の再発のサインと予防するポイントについてでした。
この記事が困っている人の役に少しでも立てれば嬉しいです。
僕が今回統合失調症について調べた際に、参考になった本を一覧にしています。
おすすめ書籍一覧:統合失調症についてを参照してください。
統合失調症の人と家族が少しでも穏やかに過ごせますように。それではまた。
同じ悩みを抱える人との交流の場「家族会」
- みんなネットhttps://seishinhoken.jp/profile
リンク先:みんなねっと(公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会) - 全国きょうだいの会(略称)
https://www.normanet.ne.jp/~kyodai/index.html
リンク先:全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会
マンガでわかる!統合失調症
統合失調症の母親をもつ子供目線で書かれており、感情移入しやすかったです。
統合失調症について勉強するきっかけになりました。
イラスト中心のため読みやすく、文字ばかりの本が苦手な人や統合失調症についてこれから学びたいと思っている人におすすめの本です。
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ウルトラ図解 統合失調症 理解を深めて病気とともに歩む
統合失調症について詳しく書かれています。その分文字数も多いですが、オールカラーで図やイラストを使い、読みやすいように工夫されています。
初めて統合失調症について読む本としてはボリュームが多いとは思いますが、統合失調症についてしっかり学びたい人や統合失調症についての本を1冊読んでみて、もっと詳しく知りたいと思った人にはおすすめの本です。
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どうしたらいいの?「統合失調症」
統合失調症とはどんな病気かその症状や治療、周囲のサポートなどについて簡潔に書かれています。全95ページと他の本より薄いですが、その分読みやすく重要なポイントがまとめられています。統合失調症について知りたいが「時間がない」「何を読んだらいいのかわからない」という人にはおすすめの本です。本書を読んでもっと詳しく知りたいと思ったら、別の本を読むことにしてみたらいいと思います。
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