再発

統合失調症の人の再発の原因-①服用の中断について

この記事では、統合失調症の人の再発の原因で最も多い「薬の服用の中断」についてまとめています。
再発が心配な方や過去に再発したことがある人などに向けて書いています。

再発の原因は大きく分けて2つあります。

  1. 薬の服用の中断
  2. 環境の変化などによるストレス

まず、統合失調症は再発しやすい病気です。
再発したからといって過度に落ち込む必要はありません。
しかし、再発を繰り返さないために注意できる点はしっかり知っておく必要があります。
なぜなら、再発を繰り返すことで症状が悪化し、回復するのにも時間がかかるようになってしまうからです。

 

 

再発の原因で一番多い原因は自己判断で薬の服用をやめてしまうことです。
しかし、薬を飲むのをやめてから病気が悪化するのは、数週間から数か月後のため家族が気づくのは、どうしても遅くなってしまします。

自己判断で薬の服用をやめてしまう理由としては、次のようなことが考えられます。

自己判断で薬の服用をやめてしまう主な理由

  1. 症状が改善し、薬を飲まなくてもいいと思ったから。
  2. 自分が病気だと思っていないから。
  3. 副作用が気になった・辛かったから
  4. 薬を飲むことに納得できていないから。
  5. 薬を飲んでも効果が感じられないから。
  6. 薬を飲まない方が頭がスッキリするから。

自己判断で薬の服用をやめてしまった場合の説得ポイント

①については決められた回数や量をきちんと飲み続けることが大事なことを説明し、薬をやめてしまうと再発する危険が高いことをもう一度説明しましょう。
上手く説明できない時は担当の先生に相談しましょう。

②と③と④は病気や薬の説明不足が考えられるため、担当の先生に相談し、もう一度病気や薬について説明してもらいましょう。
薬の副作用が辛い場合には、薬の変更をしてもらうように担当の先生にお願いしましょう。
薬物療法については統合失調症になった時の治療について①薬物療法を参考にしてください。
また、診察時に直接言いにくい場合には事前に電話をし、職員から先生に伝えてもらってください。

⑤は薬を飲み始めて日にちがたっていないことが考えられます。
ほとんどの人が薬を飲み始めてから2週間程度してから効果がでてきます
薬を飲み始めてすぐに効果が出ないため飲むのをやめたくなりますが、少し我慢が必要です。
効果が出てくるとだんだんと症状も改善していきます。

⑥は薬の服用による眠気やダルさが考えられますが、症状の激しい急性期の場合は薬の効果がでている証拠のため、自己判断で飲むのをやめてしますと再発する危険が高くなります。
ただし、症状がある程度落ち着いた回復期に眠気やダルさを感じ、日常生活に支障が出る場合には薬の変更など担当の先生に相談しましょう。
統合失調症の症状については統合失調症の4つの時期の経過と症状についてを参考にしてください。

上記の理由はごく一部です。
薬を飲む人によって中断したい理由は様々なのため、自己判断で薬を飲むことをやめてしまった場合にはきちんと話を聞いてあげる必要があります。
家族に話してくれない時は、担当の先生に相談しましょう。

出来れば薬を飲みたくない理由を本人から先生に言ってもらうのが良いと思います。
もし、家族の前で話しにくそうなら先生にお願いして家族は退室してしまうのが良いと思います。(家族の前だと話しにくいことがあるかもしれないですしね。)

薬の服用を続けられている人の特徴

  • 再発を予防できる・再発のリスクが下がることをきちんと理解している
  • 薬の効果が実感できている
  • 調子の悪いときに相談できる人がいる
  • 家族で飲み忘れがなくなるように工夫をしている

薬の服用を続けている人の特徴として上記のようなことが考えられます。
薬の服用を続けていくには本人だけでなく、医師や家族のサポートが重要になってきます。

 

下記には僕の経験を記載します。

僕の父親は月に1回病院の外来で注射剤(デポ剤)を投与してもらっています。
薬の飲み忘れが心配だったため、入院治療の時から注射剤(デポ剤)での治療を担当の先生にお願いしていました。
薬を飲み忘れる心配がないのは、僕ら家族の負担が減るのでメリットだと思っています。
しかし、毎回注射する際に痛みがあるため、いつ「行きたくない」「薬を打つのをやめたい」と言い出すか心配しています💦
特に自分の病気は治ったと思っているため、統合失調症は長く付き合っていく病気であることをその都度話すようにしています。
また、注射剤を打ったあとは体調が悪くないか、いつもより気をつけて声をかけるようにしています。

再発を防ぐためには薬の服用を続けることは重要です。そのためには、薬を飲む人が薬は症状を抑えるだけでなく、再発を防止する役割もあるということをきちんと理解することが必要になります。(僕の父親はまだ理解が不十分のため、今後も根気強く説明していこうと思っています)
また、普段から担当の先生や家族に相談できる環境があるかも大切になります。
環境の変化や家族の接し方については統合失調症の人の再発の原因②-ストレス・家族の接し方を参照してください。

最後にしつこいようですが、上記で書いた通り統合失調症は再発しやすい病気です。
しかし、なぜ再発したのかを考えることは大切です。
原因がわからないままだと治療を続けても、何度も再発する可能性があります。

今回は統合失調症の人の再発の原因-薬の服用の中断についてでした。
少しでも役に立てれば嬉しいです。

下記に僕が統合失調症の人の再発の原因について調べた際に、参考になった本を紹介しておきます。
他のおすすめ本についてもわかりやすくように、一覧にしてます。
おすすめ書籍一覧:統合失調症についてを参照してください。

統合失調症の人と家族が少しでも穏やかに過ごせますように。それではまた。

統合失調症の人の気持ちがわかる本

この本は、統合失調症の人とその家族のアンケートをもとに書かれており、統合失調症の人の本人談がいくつも書かれています。
統合失調症の人の気持ちと家族の気持ちの両方が書かれているので、共感できる部分が多いと思います。
統合失調症の人がどんなことに悩んでいるのかを知りたい人に、おすすめの本です。

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ウルトラ図解 統合失調症 理解を深めて病気とともに歩む

統合失調症について詳しく書かれています。その分文字数も多いですが、オールカラーで図やイラストを使い、読みやすいように工夫されています。
初めて統合失調症について読む本としてはボリュームが多いとは思いますが、統合失調症についてしっかり学びたい人や統合失調症についての本を1冊読んでみて、もっと詳しく知りたいと思った人にはおすすめの本です。

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統合失調症は治りますか?

本書は精神科医の著者が当事者・家族・支援者の方々からのそれぞれの質問(全61問)に丁寧に回答しています。
質問は著者が講演や診療を通して、今までよく聞かれた質問から選ばれているため、これから読む人の中にも同じような疑問をもったことがある人もいると思います。
イラストや図・表はほとんどなく文字数が多いため、たくさんの文字を読むのが苦手な人が読むには、少し大変かもしれません。

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同じ悩みを抱える人との交流の場「家族会」